学術・学会活動
第2回学術講演会
第2回 関西みみはな治療研究会 ご報告

平成23年4月9日、中之島のリーガロイヤルホテル大阪にて「第2回関西みみはな治療研究会」を開催いたしました。60余名の先生方にご参加いただき、盛会となりました。その会の様子をご報告いたします。
◇アレルギー性鼻炎に対して外来で行う治療◇
まず、一般演題の1題目は「アレルギー性鼻炎の外科的治療について 診療機器の比較 フリートーク」です。外来診療でもCO2レーザーなどを使用されている先生方も多いと思いますが、村上クリニックの村上匡孝先生の司会で、CO2レーザーとアルゴンプラズマ、オリンパスのCelon やサージトロン(高周波凝固)の3つの機器の比較について、各機器をご使用の先生方からご意見をいただきました。
3つの機器とも、鼻閉には効果はあるものの、鼻汁やくしゃみには効果が十分ではないという点では一致しているようです。CO2レーザーは、恐らく最も普及している機器で後出血などのトラブルもまず起こらないという利点がある一方で、アルゴンプラズマやcelonに比べるとやや効果は劣る印象があり、下鼻甲介粘膜表面の焼灼もアルゴンよりは時間がかかるという欠点もあるとのことでした。アルゴンプラズマは下鼻甲介を面で焼灼することができるため、焼灼に要する時間がCO2レーザーに比べて短縮され、治療効果も高いようですが、焼灼時に電流が流れるせいで歯痛を自覚する方が多く、ペースメーカー装用者には行えないという欠点があります。機器の価格も現在発売されている機種は高価ですが、来年には耳鼻科用のコンパクトな機器が発売されるようです。Celonは、粘膜下に針状のプローベを刺入し、粘膜下組織を焼灼する機器で、鼻閉には非常に効果が高いものですが、同じように焼灼しても粘膜の減量できる程度に差が生じ、調節が難しいという欠点があります。機器本体は200万円台とアルゴンよりは安価ですが、プローベもディスポーザブルで、ランニングコストが高いのも欠点といえるでしょう。アルゴンプラズマとCelonの両方を実際に使用されている滋賀の石部先生にも積極的にご発言いただき、非常に勉強になりました。
内服や点鼻の処方だけでは、内科医小児科医との差別化ができず、耳鼻科医として他科にはできない診療を追求してゆきましょうという村上先生のお言葉で締めていただきました。
◇アレルギー性鼻炎重症者に対する後鼻神経切断術◇
2題目は当院の田村芳寛先生が「後鼻神経切断術」の実際の手術ビデオを供覧しました。鼻汁やくしゃみなどは、レーザーなどを用いても改善しにくく、主に通年性の重症のアレルギー性鼻炎の方に行っています。基本的にはズブコンを併せて行い、全麻下での2~3時間の手術になりますが、効果は非常に高く、患者さんの満足度も高い手術です。今後一定期間観察して、症例をまとめて治療成績なども発表してゆきたいと考えております。
◇当院で手術を行った中耳炎症例について◇
3題目は私、廣芝が、鼓室形成術のビデオを供覧し、岩永先生の手術について、そのお考えと手術手技について、お話させていただきました。岩永先生の手術は、非常に丁寧かつ仕上がりも美しく、私と田村先生で岩永先生の手術を受け継いでゆこうと日々努力しております。症例数がまとまれば、術後成績も出してゆきたいと考えております。
◇特別講演 喉頭枠組手術の臨床応用◇
一色先生の特別講演は「喉頭枠組み手術の臨床応用~特に痙攣性発声障害について~」で、座長は岩永先生が務められました。甲状軟骨形成術の開発の経緯をまずお話になられ、I型からIV型までの術式についてお話していただきました。痙攣性発声障害は診断そのものが難しく、実際の診療で遭遇する機会はあまりない疾患ですが、声が出ない患者さんの苦しみは相当なものでしょう。一色先生が開発したチタンブリッジを使用した甲状軟骨形成術II型の手術を供覧されました。手術後の劇的な音声の改善には驚きを禁じ得ませんでした。患者さんももちろん喜ばれると思いますが、手術を行う外科医としても非常にやりがいがある手術であると感じました。現時点ではII型の手術が行われている施設は限られていますが、将来的にはさらに拡がってゆくものと思われます。現在もなお喉頭の手術の創意工夫を考えておられる一色先生に、尊敬の念を新たにしました。一色先生のご要望もあり、次回の研究会の名称を「第3回みみはなのど治療研究会」とさせていただくことになりました。
なお、7月より第2・第4火曜日の午後1時~3時に、ひろしば耳鼻咽喉科において一色先生または田邉正博先生の音声外来を開始します。予約制ですので声の悩みまたは口唇口蓋裂など形成外科的な疾患の患者様がおられましたらご紹介ください。
◇ゴルフコンペ(4月10日 於 田辺カントリー)◇

研究会翌日に名門田辺カントリーで第1回みみはなcupを開催いたしました。スコアは今一つでしたが、写真の様に桜が満開で最高の1日となりました。合計15名の方にご参加いただき、優勝を勝ちとられたのは南大阪蔦耳鼻咽喉科の蔦佳明先生でした。次回第2回みみはなcupは9月4日(日)に同じ田辺カントリーで開催予定です。是非ともご参加ください。
◇第3回みみはなのど治療研究会◇
第3回研究会は同じ会場のリーガロイヤルホテル大阪で、9月3日(土)に開催する予定です。今回初めて試みた「フリートーク」形式で、「患者満足度向上の工夫」というテーマでいろいろな先生のご意見をいただきたいと考えております。工夫をすべて披露されるのは難しいと思いますが、ご意見をまとめてスライドを作成し、また村上先生の司会で行う予定ですので、是非とも皆様ご参加のほどをお願い申し上げます。
また特別講演は三重大学耳鼻咽喉科講師の小林正佳先生に「実地医家における嗅覚障害診療手順」という演題でお願いしております。嗅覚は客観的評価が難しく、治療についても限られているのが実情です。小林先生は、嗅覚に関する最前線での研究はさることながら、鼻の手術を数多く手掛けておられ、京都大学の内視鏡実習でもインストラクターを務めておられます。我々開業医にとっても、非常に興味深い講演をしていただけると思いますので、皆様のご参加をお待ちしております。
(文責:廣芝新也)


